スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「ストレイキャット・ストラット2」

 

前回の繋ぎ的なものの第二回です。

 
 
「あああ~っ」
ベガ獣の超音波は、あらゆる点で身体能力の高いデュークにかなりのダメージを与えた。
頭もいい、身体もいい、顔も、そして耳も…デューク・フリードの聴覚は並みの人間よりはずっと良かった。
今はそれが仇となり、この攻撃はズリルが予想した以上にデュークを苦しめた。
「デューク、デューク!どうしちゃったんだよ、しっかりしろ。あんなの赤ちゃんの時のシローの泣き声とかボスの鼻歌に比べたら、何でもないぞ」
 
 
たしかに猫は人間よりも、2オクターブ高い音を聞く事が出来る。
しかし、つまるところ甲児は猫ではなかった。
ベガ獣なのだ。
黒い毛並みがふさふさで、モフっとして、丸い目のくりくりした小さいベガ獣だった。
ズリルが逃げ出して付けてくれなかったので、名前はまだ無い。
甲児と合成されたベガ星の猛獣には、猫ほどの聴力はなかったらしい。
あるいは、人間と合わさって能力が落ちたか、ともかく甲児に超音波は大して問題ではなかった。
 
 
デュークは両手で耳を押さえ、気を失ってしまった。
「おいっ、デューク!起きろってば!ベガ獣が来るぞ」
甲児はデュークの肩に乗り、前足でバイザーを押し上げた。
肉球で頬を叩いても、固くつぶった目は開かない。
 
 
「ようし、いいぞポニョポニョ!さすがのデューク・フリードめも参ったと見える。ミディフォー部隊とともに総攻撃だ!
グレンダイザーを一気に血祭りに上げろ!」
動かなくなったグレンダイザーに狂喜したズリル長官の号令で、専用母艦から多数のミディフォーが雲霞のごとく吐き出され
ぐんぐん迫って来た。
「ち、ちくしょう!こんななりじゃあデュークに代わってグレンダイザーを動かすこともできやしねえ!」
口惜しそうに叫ぶ甲児だが、「にゃー!」にしか聞こえない。
「うわっ」
ミディフォーのビームが直撃し、棒立ちのダイザーが揺れる。
 
 
いくら宇宙合金グレンで出来た装甲でも、至近距離でビームを浴び続ければいずれはやられてしまうだろう。
さらに敵は頭部に狙いを定めてきたようだ。
「デューク、このままじゃやられるぞ!」
グレンダイザーの風防をめがけてミディフォーがビームを発射しようと近づいてくる。
「ああっ」
その瞬間、甲児の目前でミディフォーは突然まぶしい光を放ち、粉々に砕けた。
 
「どきなさいよ、あんたたち!ドリルミサイル!」
「デューク!しっかりしてっ」
 
 
「あっ、マリアちゃん、ひかるさん!来てくれたのか!」
通信装置から聞こえた甲児の鳴き声に、マリアは驚いて思わずグレンダイザーの操縦席を覗き込んだ。
「にゃー?まあ、猫ちゃん!どうしてそんなところに…」
「マリアさん、ベガ獣が来るわ!」
 
巨大な金魚のようなベガ獣が、ゆっくりと空中を泳ぐように浮遊しながらゆらゆらとやって来た。
「ふん!小娘どもが!所詮は最後の悪あがきよ。ポニョポニョ、スーパー溶解液だ!」
ベガ獣は口を丸くすぼめ、鉄砲魚がやるようにピュッと勢い良く赤い液体を吐き出した。
 
「危ない!」
「きゃっ」
ドリルスペイザーとマリンスペイザーは左右に散って、どうにかその液体をかわした。
しかし、わずかにしぶきの降り掛かった部分が見る間に溶け出している。
 
「なんという威力だ!マリアちゃん、ひかるさん、近づいては危険だ!離れていなさい」
研究所のテレビスクリーンを見ていた宇門博士が叫んだ。
 
「でもっ、このままでは兄さんが…」
「デューク!」
 
 
(ヤバい!ヤバいヤバい!)
「大介さん!いつまで寝てんだよ!!起きてくれよ」
(んにゃあ~~!)
甲児は思い切り大介の顔を殴った。
「うう…ッ」
デュークはようやくうっすらと目を開けた。
自分の肩に乗ってじっと見ている猫に気づいたデュークは、真っ黒な大きい二つの瞳と視線が合って
不思議と少し元気が出た。
 
「お、おまえ…無事だったか…」
微かに笑みを浮かべたデュークの顔を、甲児は両前足で思いっきり押して前を向かせた。
「ハッ!」
すぐそばに、ベガ獣が来ている!
酸欠の鯉のように不気味に口を開いて、今にもこちらに向けて攻撃を仕掛けようとしているのがわかった。
 
「い、いかん!」
デュークはすぐさま操縦桿を握り避けようと試みるが、まだ腕に力が入らない。
「駄目だ…。逃げるんだ!おまえだけでも…」
苦しげな息遣いで、デュークは言った。
「馬鹿言うなよ、死ぬときは一緒だろ」
甲児は素早く片方の操縦桿に長いシッポを巻きつけて、力いっぱい引っ張った。
 
 
バランスを失ったグレンダイザーが倒れるのと、ベガ獣が溶解液を放ったのは、ほぼ同時だった。
的を外れてグレンダイザーの背後に落ちた液体は、ジュッと忌まわしい響きをたて瓦礫とともに蒸発した。
 
 
「…僕を守ってくれたのか…、ありがとう…」
デュークは淋しい口調で言うと、甲児のあたまをそっと撫でた。
「ここにおまえが一緒にいるのなら、やられるわけにはいかないな。ようし…!」
額に汗を浮かべながら、デュークは必死に操縦桿を握り直した。
「うう…それっ!」
まだ体中の神経が麻痺したように、思い通りには動けないが、強靭な意志の力で痛みを捻じ伏せて
グレンダイザーを立ち上がらせた。
 
 
「何をしている、ポニョポニョ!奴はもうフラフラだ。あと一歩だぞ!もう一度スーパー溶解液だ!」
ズリルは苛々してベガ獣に命令する。何せポニョポニョは強いが動きの鈍いのが難点だった。
「この距離では次に攻撃されたら避けられないぞ、大介!早く反撃するんだ」
宇門博士もズリルに劣らずやきもきとしながら画面を見ていた。
所員たちも心配そうに見守っている。
 
 
「兄さん、しっかり!スパーク・ボンバー!!」
「大介さん!マリン・カッター!」
ミディフォー部隊を相手にしながらもマリアとひかるが急いでベガ獣を叩く。
しかし、全身をうろこ状の分厚い装甲で覆われたベガ獣はびくともしない。
 
 
「二人とも、下がっているんだ!ショルダー・ブーメラン!ハンドビーム!」
後退りしながら繰り出すグレンダイザーの必殺武器も、効果はない。
うろこの表面をただ滑るように弾き返される。
「だ、駄目か…」
ポニョポニョの口が次第に再び『0』の形に変形を始めた。
「大介!スペイザーと合体して逃げるんだ!早く!」
「く…」
「そうはいくか!ミディフォー、スペイザーを足止めせよ。少しの間でいい。それでグレンダイザーは溶けて消え去るのだ!」
ズリルは専用母艦から残りのミディフォーをありったけ放出して勝負に出た。
 
 
「わかったぞ」 甲児はつぶやいた。(にゃあ)
「顔の横に推力変向式排気口がある。なんだ古いな。フラップ式だ…よし、あそこを狙え」
甲児は計器盤に飛び乗り、照準円をベガ獣のエラのような部分に合わせてロックした。
「だけど、この角度からだと直撃しない場合もある…チャンスは一回だけだ」
 
甲児は操縦桿を力なく握っているデュークの手の指を1本くわえ、スペースサンダー発射ボタンに目をやった。
猫の甲児には押せない位置にある。
「…。」
デュークは僅かずつだが神経麻痺の状態から回復し、甲児と、甲児が合わせた照準円を表示する液晶ディスプレイ、
そして甲児の視線の先をさっと見回した。
「…あそこを狙うんだな!あの微かに薄い装甲の裏だな?」
にゃあ!と、甲児が鳴いた。
 
 
「よし、やれる…、やるしかない…」
震える手はまるで鉛に変わってしまったかのように重く、動かそうとすれば背中がちぎれるように痛んだ。
「甲児くん!こいつを片付けたら…きっと見つけてやる!待っててくれ!!」
デュークは自分に言い聞かせるように叫び、小刻みに震えながら腕を伸ばす。
白い額に刻まれた苦悩の皺を汗が幾筋も流れ、目には見えないデュークの深手を物語る。
やっとボタンに手が触れた。
ベガ獣の口は縦向きに楕円を描き、スーパー溶解液が今、発射されようとしていた。
 
 
「大介ッ!!」
「ああ、グレンダイザーが溶かされる!」
所長の叫びとともに、林所員や山田所員が絶望に息を飲んだ。
 
「兄さん!逃げてーっ」
「デューク!」
 
 
「死ねい!デューク・フリード!!!」
 
 
 
 
つづく。
次回最終回はイラスト入りで近日アップ。
しばらくお待ち下さい

コメント

非公開コメント

近日?
じゃあおとなしくまってます。楽しみだなー
゜+。(*′∇`)。+゜

に・・忍耐?!

ああぅ!!いいところでっ!!萌えを炸裂させられるかと思っていたのにっ!!
(ネコ甲児君とデュークのやり取りでちょっと萌えた。)

行き場のない萌えを何とかしたく、ちょっと男子フィギュアの過去のEXを見ていました。
そこで見つけたプルシェンコとキャンデロロのハイレグ(食い込み)パンツを大介さんと甲児君に進呈しますね。
プルシェンコの金パンツは大介さんに。キャンデロロの豹柄パンツは甲児君に。
機会があったら、二人に穿かせてあげてみて下さい。

楽しみだな、最後の大介さんと甲児君の・・・❤❤が。
待ってます。

めちゃくちゃ感動するよー!

家露様

マリサだけ?、こんなに感動して鼻血ではなく、涙腺からe-263が出てくるのは。
甲児くん猫、めちゃくちゃかわいいv-238かわいすぎる。動物好きのマリサには、たまらない。

>「…僕を守ってくれたのか…、ありがとう…」
>デュークは淋しい口調で言うと、甲児のあたまをそっと撫でた。
マリサ、ここで、完璧泣いちゃったよんe-263e-263

>真っ黒な大きい二つの瞳と視線が合って不思議と少し元気が出た。
この表現マリサすごく好き。大介さんは、甲児くんの黒い大きな瞳が好きだから、これは、後で黒猫ちゃんが、甲児くんとわかる時につながるのかな・・・。

やー!マリサ、今まで家露様が書かれたもの、もちろん全部すきだけど、このお話、一番すきかもしんない。やばいやばい、マリサ、このシーンが全編、目の前に浮かんでるよん。

どうやって、大介さんは、黒猫ちゃんが、甲児くんだとわかるんだろう。
え-!まじ、想像つかないよん。
これ、まじ、感動巨編だよん。
でも、甲児くんが元の姿にもどった時に超ラブラブシーンがあるのかな?
どんなイラストがはいるのかもすごく楽しみでしゅ。←あつーいラブラブをおねがいしまーすv-238e-269
家露様、マリサ好みのお話をありがとうでしゅ。ラスト楽しみにしていますよん。

あー!

家露様

もしかして、ディズニーぽく、ラスト、大介さんが甲児猫ちゃんを抱きあげてキスしたら、ベガの魔法が解けて、元の甲児くんにもどるのかなあ、ってマリサだけ?そんなこと想像するのは・・・・・。
初回に甲児くんが、「このままじゃ、抱っこされちまう」てセリフがあったの思い出してそれにひっかけて、勝手に妄想してしまっちゃったよん。
ごめんなさい、連投してしまいましたよん。

No title

ああー!いいところで…!!
息詰まる戦いに、甲児くんと一緒になって応援してたり。
「起きてー!あなたー!!」(「あなた」なんて、旦那にも言ったことないよ)

「こいつを片づけたら…」のとこで胸がキュンとv-406
えーん、切ないよー!甲児猫の気分が判るわ。

確かにボスの歌声は凄そう。
赤ちゃんの、声って響くんだよなー。

家露さん、チョコ食べて!早く続きを!!

燃え

そうなんだi-198こちらはデューク怪我萌え趣向だったi-199(ほんと?)
戦闘シーンが熱いっ、熱いですi-178
しかしいつも思うのだが、デュークのフェイスガード、
目だけしか見えないなんて、もったいなさすぎるよ
表情がしっかり見えないぢゃないか~、悶えの表情が~
追伸:「W」クリアしました!

あう~。

いいところで「つづく」ですか~

果たして、甲児君と大介さんの運命や如何に・・・。

しかし、ポニョポニョ・・・強いぜ!容易ならん敵だ・・・侮れん

はい~

ももちゃん

あれこれやってると、どれもなかなか進みませんv-12
ちょっと腰を据えて頑張りますので、チェック宜しくですv-221

そろそろ夏のことも視野にいれないと・・・なんせ手が遅いので(^-^;)
でも、こんなネタだったらいっぱいある。
短編ばっかりの同人誌、どうでしょう?

No title

>家露さん
Reeの萌えツボは外してないですねぇ。いやぁ面白いです。
此処でつづくは 辛いッスよぉぉぉ~

>頭もいい、身体もいい、顔も、そして耳も…
うんうん 大きく頷いてます。 お尻もいいよぉ~ マグナムもいいよぉ~ 眉も(^^;)

ボスの鼻歌には笑えた。やっぱ外さないねぇ 家露さん。

なんかさぁ ポニョポニョの目が笑ってる気がした。きっと可愛いベガ獣だろうね。

で、残された甲児君のパンツは 何型だったの? やっぱ白のぶりーふ?

確かに

凡人さん

お預かりしました!
金&豹柄パンツv-238
必ず穿かせますよ。フフフ。

ハイレグいいですね。
ネタ提供大感謝~v-218

ありがとう

マリサさん


いつも読んで下さってほんとにありがとうv-22
最終回が気に入ってもらえるかどうかわかりませんが、頑張りますv-217
お話はいじりようがないので、せめてイラストで気合を込めますv-42

ん~、どこに込めようかなあ。
・・・全部、全部ですね。
実力のない分および公開不能なv-114的部分は想像力でカバーして頂くとしてv-12
ラストに向けて走ります。
ストーリーはマリサさんの予想通りか、果たして・・・。

連投ぜんぜんオッケーですよー。
むしろ嬉しいですから~

チョコが力をくれる・・・

あたるさん

スペシャルチョコありがとうv-10
力尽きそうになったら頂きますv-91

包み紙は永久保存しますv-221

赤ちゃんはお母さんに聞こえるように、大きな高い気に障る声で泣くようになってるんですね。
真マでシローちゃんを抱っこしてた甲児くんが忘れられません!
つばさ女将は子育てあんまりしてないと思う。甲児くんに丸投げ(笑)

いや、

namiさん

ウチも甲児くん怪我萌え基本です!
甲児くん怪我・拉致・手錠・拷問・洗脳・大介さんごめんな・パン一・・・あ~v-238

あ、すいませんつい暴走してしまいましたv-12

戦闘シーンねえ、namiさんぐらいかっこよく書けたらいいんですけど、もういつもいっぱいいっぱいです。
何度も読み直さないと自分でも位置関係とか、意味不明になりがちです。

デュークの苦悶は、ほぼ眉間の皺だけで表現されてますかね?
あとは富山さんの演技力ですね~v-10
顔が見えないぶん、声に集中ですね。

「W」クリア、おめでとうございますv-20
先越されちゃったなー。
私も早く全部見たい!
次、なにやります?

へへー

ゆかりさん

いいところと思って頂ければ、こんなに嬉しいことはございません(泣)

甲児くんと大介さんの運命は・・・たぶん・・・v-254的な方向で。

ポニョポニョ、伊達にGブリ出身じゃないっすよ。
エコパワーとかね、あるんじゃないでしょうか。

ぜひ次回も読んで確かめて下さいねv-238

ボスの鼻歌

Reeさん

笑えますよね。つくづくいいキャラだったv-10
あれでもうちょっと男前だったら、甲児くんを嫁にやっても良かった・・・v-12

ポニョポニョは昔飼ってた出目金と、田舎の池にいる鯉のイメージでしょうか。
どっちもすごい食いしん坊で、けっこう愛嬌があります。
いたいけな生き物をベガ獣にしてしまうベガ星連合軍は許せないな!
(自分で作っておいて勝手な事を言ってます。想像力が貧困なので身近なモデルがないと何にもできません)

で、甲児くんのパンツですが・・・ご名答!チェリーな奴の白いブリーフv-238定番です。

No title

甲児くん、ママだから、あんなに気がつくし、料理とかも上手いんですね!
「ほら、家露さん。ほっぺのとこついてるよ」とか言ってペロっと舐め・・・v-10
いかんいかん、まだ真昼間!
家露さんとこの甲児くんは、洗濯物干しとか似合う気がしますv-10
そんで大介さんが 「手伝うよ(大介さん、わざと甲児くんの白ブリーフだけ選ぶの、見え見えだからやめるように)」
とか言って。「有難う」という言葉の裏で、背丈を気にしたり、
ちょっと意識してはにかんだりするの・・・ダメ?v-388

確かに女将は「ほっといても育つ」的な考え方みたいですねv-406
強く育て!兜家の男子たち!!

甲児くんは・・・

あたるさん


ああ見えて家庭的なとこがツボなんですよねえ~v-10
たぶん、必要に迫られてそうなったんでしょうけど、きっとそうするうちに好きになったのでしょうね。

でなきゃ、あんな豪華なお料理作れません。

大介さんは優しい、何でも手伝ってくれる旦那さんになりますね、きっと!ウザイくらい・・甲児くんには・・・(笑)

いつも書き込みありがとうv-238あたるさん。

ネコの最終回UPしたので、読んでね~v-218

エロはとばしてもいいよ。
プロフィール

家露伊江子

Author:家露伊江子
兜甲児様の引力から逃れられず
2008の夏コミあたりから活動を始め、
周囲を怪訝な顔にさせました。

誰も驚かなかったですが。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2カウンター
Pika_Mouse
powered by
3ET
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。